マウントを取るような、攻撃的な発言にうんざりしていませんか。

口調が強い人、重たい雰囲気をつくる人、早いスピードで論破をしてこようとする人。

このように、社会では攻撃的なコミュニケーションをとってくる人がいます。

マウントを取られると、良い気持ちにはなりませんよね。

実際に、上司や取引先の攻撃的なコミュニケーションに疲れてしまい、会社を辞めてしまったり、酷い場合は心に病気を抱えてしまったりして、今の仕事が続けられなくなってしまう人がいます。

今回は、「会話のペースを相手に合わせる」ことで、マウントを取られることを未然に防ぐ対処法を身につけていきます。

■「マウンティング」は主導権を握りたいという感情からくる

「マウントを取る」というのは、馬乗りになって相手を攻撃する「マウントポジション」から派生した言葉です。

つまり「マウントを取る」という言葉の意味は、自分の優位性を周囲に示そうとする行為のことであり、相手より自分の方がすごいのだ、優れているのだ、と示す言動を表しています。

具体的には「おまえって本当ダメだよな」と相手を下に見た発言をしたり、「私はこういうこともすぐにできちゃうから」と自分の有能さをアピールしたりするなど、自分が相手より優位に立っているとアピールする行動全般が、マウントを取る状態だといわれます。

■マウントを取っていては人間関係の距離は縮まらならい

「相手にペースを合わせなさい」と言われると、あなたは抵抗があるタイプでしょうか。

抵抗があるとこたえた人は、「会話の主導権を握られる」や「自己主張が弱くなる」とネガティブな感情を抱いたと思います。

実際に、「相手よりも低い声で話したり、早く話したりすると会話をコントロールできる」といった情報もあります。

相手を威圧したいと思うのであれば、それでも良いのかもしれません。

しかし、関係性を築く（ラポール）のであれば、今すぐ辞めなければいけません。

実は、マウントを取るという行為には、「主導権を握りたい」という深層心理が働いています。

思い通りにされたくないと思うことで、無意識的に相手と距離を取ってしまい、互いにマウントの取り合い＝主導権争いといったコミュニケーション方法を取るようになってしまいます。

これこそが、人間関係に距離をつくる原因なのです。

せっかく、コミュニケーションを取ろうとしているのに相手と対立していては元も子もないでしょう。

また、「マウントを取る」という深層心理は慢性的にあなたの行動に影響を及ぼします。

日々の習慣にも「相手を従じる」や「自分のペースを乱したくない」という感情が出てきてしまうので、相手も自然とあなたと感情を共有することを避けてしまいます。

このためには、相手と主導権を争わないということが重要になってきます。

■ペーシングでラポールを築く

このように相手との主導権争いに巻き込まれないようにするには、会話の中で、相手と口調を合わせたり、呼吸のリズムや声のトーンを合わせることです。

例えば、話のスピードが速い人や声のトーンが低い人がいれば、あなたも同じように話してみてください。

このように、話し方や呼吸など、相手の状態に合わせてコミュニケーションをとる方法を、心理学では「ペーシング」と呼びます。

ペーシングでは、「相手の会話をさえぎらない」ことも重要なポイントになってきます。

途中で話が変えられると、相手は「まだ話したかったのに、話題を変えられた」と不満が残ります。

ビジネスの交渉の席であれば「相手の条件ばかりを押しつけられた」という感覚を持たれてしまいます。

相手の息を読んで、息が切れるまで待ってから話す、という「間」の大原則を忘れないことが重要です。

■ラポールは近い距離感から生まれる

いかがでしたでしょうか。

マウントを取りたい攻撃的な相手であっても、会話のペースを合わせることによって、関係性構築に持っていくことができます。

相手はあなたへの警戒心をとき、自然と口調も穏やかになっていくでしょう。